この記事を閲覧しているのは、タバコをやめたいと思っている人でしょうか?
もしくは、禁煙なんか馬鹿馬鹿しいと思って冷やかしに来た人でしょうか?
簡単にやめることができたら苦労しないわ、とでも言いたげですね。
いずれにしても、読者のあなたが喫煙者なら、ぜひタバコを吸いながらこの記事を読んでください。
読み終わるころには、あなたのタバコに対する価値観が多少は変わっているはずですよ。
・タバコをやめようかなと思ってる人
・タバコなんか簡単にはやめられないと思ってる人
・親や彼氏・彼女にタバコをやめてほしい人
※この記事は卒煙を無理強いしているわけではないので、読み終わってもなお吸いたいと思うのならどうぞ吸い続けてください。
目次
はじめに|筆者の話を少し。
筆者はもともと、1日ひと箱は必ずタバコを吸うくらいのヘビースモーカーでした。
タバコが好きで吸いたくて仕方なくて、夜中にわざわざコンビニ行ってタバコ買い足したりも普通でした。
何か作業を始める前も、「とりあえずタバコを吸ってから」が常だったんです。
待ち合わせで人を待ってる時も一服、喫煙席がない飲食店には入らない、喫煙所が近くになければ路上喫煙も当たり前のようにしていましたし、出かけるときは「ケータイ、財布、タバコ」の3点セットでした。
タバコはまさに、簡単にリラックスできる便利グッズだったんですよね。
喫煙者からすればこれらはまぁ当たり前のことですが、今思えば完全に狂っていると思います。
タバコに毒されていました。
じゃあなんでタバコをやめようと思ったのか?
お金のこととか健康のこととかニオイとかいろいろありましたが、一番大きいのは将来のことです。
もっと言うと、将来子供を作る時のことを考えました。
自分の精子が喫煙のせいで欠損してたらどうしよう、とか、そのせいで健康な子供が生まれてこなかったらどうしようとか急に考えるようになったんです。
もちろん喫煙の習慣があっても健康な子供を作ることは可能ですし、現に筆者の父親は極度のヘビースモーカーですが、幸い筆者は五体満足に生まれてくることができました。
とはいえ、いろいろ調べた挙句、やはり喫煙におけるリスクの大きさが目につきました。
でも一番は、「やめる理由を探しているのが馬鹿馬鹿しくなったから」です。
やめる理由を探しているうちはいつまでたってもタバコのことを考えていることになりますよね。
卒煙(タバコをやめること)のコツは、なぜ辞めたいのかではなく、なぜタバコを吸うのかを考えることです。
これだけで簡単にやめることができます。
考えた結果、とくにタバコを吸う理由(吸わなくてはいけない理由)なんかないことに気づいたんです。
こうして筆者は、タバコをやめることを決心したわけです。
タバコを吸うことの弊害
喫煙者にとって、タバコのデメリットを語られることはめちゃくちゃ鬱陶しいですよね。
めっちゃわかります、筆者もそうでしたから。
だから、まだタバコを吸いながら続きを読んでください。
やれ健康被害だの、やれ副流煙だの、そんなことわかりきったうえで皆さんはタバコを吸っているんですよね?
そのはずです、タバコを健康にいいものだと思って吸ってる人なんか居るわけありませんから。
もちろん筆者も、タバコの害悪性をすべて把握したうえで吸っていました。
なのでここでお話しするタバコを吸うことの弊害は、そんな分かりきったことではありません。
学校の薬物講座でも禁煙外来でも教えてくれない、もっと根本的なことをお話しします。
タバコは集中力を高めません
何かの作業の前に一服をするのおは、喫煙者あるあるですよね。
筆者もそうでした。
喫煙者は何をするにも、まずタバコを吸わないと何もできません。
作業前に一服、休憩で一服、作業が終わった後も一服。
確かに、タバコを吸うとめっちゃ集中力が上がった気がします。
でもそれは、喫煙によって失われていた集中力が戻ってきたにすぎないんです。
喫煙者はもともと生まれ持って素晴らしい集中力を有しているのに、それをわざわざ失って取り返すといった工程を踏んでいるんです。
それに、せっかく集中力を取り戻しても、体内のニコチンの減少とともにどんどん減っていってしまいます。
それでまたタバコを吸う。
すると脳に酸素が十分に届かなくなり、さらに集中力が失われる。
「タバコを吸えば集中できる」という人は、もしタバコを吸っていなかったらものすごい集中力を発揮するんでしょうね。
タバコは麻薬です、あなたは立派なジャンキー(中毒者)です
タバコに含まれているニコチンは、コカインとかヘロインと同様の精神刺激薬です。
「そんなのは大げさだ」と笑いますか?
でも事実なんです。
タバコは一本当たり20回くらい吸引するので、一回の一服で20回も精神刺激薬を摂取していることになります。
喫煙後、体内のニコチンはすぐに減り始め、禁断症状が起こります。
が、実はニコチンの禁断症状は非常に弱く、「何かを失った喪失感」とか「なんとなくもの寂しくてイライラする」という程度。
そこでタバコを吸えば、不安は安心に変わって、喪失感は安堵に変わります。
でも、タバコを吸い始める前はそもそも「喪失感」とか「イライラ」なんて誰も抱えていません。
それに、せっかくタバコを吸って得られた安堵感も、ニコチンの減少とともにすぐに消えてしまう幻なんです。
1時間ともたない幻。
はっきり言って、麻薬中毒者は自分がジャンキーだと自覚しない限り底から抜け出すことは永遠にできません。
喫煙は決して習慣ではなく、ただの中毒症状にすぎません。
タバコは疲労感を生みます
運動した後や仕事で疲れた後、喫煙者はタバコを口に咥えて火をつけます。
まるでタバコを吸えば疲れが吹き飛ぶとでも思っているかのように。
筆者もそうでした。
疲れてるときに欲しくなるのはチョコレートとタバコ。
タバコを吸えば疲れから解放されてリラックスできると思ってました。
タバコには一酸化炭素が含まれていることを、皆さんは知っているはずです。
一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合して体中に酸素を行き渡らせづらくしてしまいます。
何かをすると疲労を感じるのは体が酸素不足になるからなのに、タバコを吸うことでそれに拍車をかけているんです。
しかし喫煙者(当時の筆者も含めて)は愚かなことに、タバコを吸うことで疲労感が取れると錯覚しているんです。
これも幻なのに。
タバコでストレスは解消されません
まだタバコを吸いながら読んでいてください。
喫煙者に、「どうしてタバコを吸うのですか?」と問うと、たいていは「ストレス解消のため」と答えます。
筆者もタバコを吸うとストレスがスッと楽になると思っていましたし、そう感じていました。
しかし、それは誤った思い込みです。
ニコチン中毒の脳みそは、体内のニコチンが減るとストレスを感じるようにできています。
つまり、ストレスの原因はニコチンなのです。
喫煙者は律義にも、自ら進んでストレスを感じ、そしてニコチンによってそのストレスを解消していると錯覚しているのです。
本当は、タバコが先にリラックスを奪い取って、あとから返しているにすぎない。
ストレスを解消するのではなく、毎日日々ストレスを感じながら喫煙者は生きなくてはなりません。
タバコを吸わなければ、毎日こんな無駄なストレスを感じる必要もないのに。
タバコはおいしくありません
タバコがうまい、って誰が言い始めたのでしょう?
こんなの、完全に麻薬中毒者の戯言です。
筆者も当時は、
「タバコはゆっくりと吸引してタバコの葉に含まれている糖分をした先で感じ取って…。」
などと、さもタバコがおいしいものであるかのように語っていました。
でも、初めて吸ったタバコの味を思い出してください。
苦くて臭くて、大人はよくこんなものを吸えるなと驚いたはずです。
喫煙者はこんなにまずい煙草を、訓練してやっと吸えるようになったんです。
例えば自分のタバコが切れた時、普段吸わない銘柄のタバコをもらって吸うことがあるかもしれません。
その時の味は、慣れていないせいでたいていまずく感じます。
でもなぜか、心はホッとします。
禁断症状を和らげて脳が満足したんです。
「タバコがうまい」の正体はこれで、完全に麻薬中毒者の勘違いです。
タバコを吸うことはかっこ悪いことです
1960年代、男性の喫煙率は80%を超えていました。
当時はタバコを吸う男性がかっこよいとされていたのです。
しかし世界中の意識が変わりました。
今では喫煙率はたったの20%になってしまったのです。
皆が、タバコは害でしかないと気が付いたのです。
現代の強い人間は、タバコに頼りません。
タバコは弱い人間が吸うものだという認識に、世の中が変わってしまったのです。
喫煙者のあなたはまだその事実に気づいていないのでしょうか?
それとも気づかないふりをしている?
タバコをやめた人、タバコをやめざるを得なくなってしまった人がかわいそうなのではありません。
寿命を削り、お金を捨て、まずいのに訓練してやっと吸えるようになったタバコなのに世間からは厄介者扱いされる…。
本当にかわいそうなのは喫煙者の方なのです。
卒煙のすすめ-禁煙と考えない-
まだタバコを吸ってて構いません、あなたは喫煙者ですから堂々と吸っていてください。
禁煙だと考えるから続かないんです。
タバコを吸うことを禁止することは、本当にタバコをやめたことにはなりません。
それはただの禁欲生活にすぎませんからね。
目指すのは「タバコからの解放」です。
つまり、タバコからの卒業です。
冒頭にもお話ししましたが、吸っちゃいけない理由ではなく、吸う理由を考えてみましょう。
どうですか?あなたがタバコを吸うべき理由、なにか思いつきますか?
きっと喫煙していた当時の筆者なら、「命を削って税金を納めている」と豪語するでしょう。
国はそんなに無能ではありません、たばこ税が収入として減少しても、ほかの道で税金を徴収します。
「命を削って税金を納めている俺はむしろ偉い」だなんて、ただのマスターベーションにすぎないと、今になれば容易にわかります。
タバコを吸いたいですか?
もうタバコを吸いたくないと思えたのなら、あなたの卒煙はほとんど成功しています。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
もしまだ吸いたいと思うのであれば、卒煙するにはまだ時期尚早なようです。
なぜ吸いたいのか、吸う理由をもう一度考えてみてください。
そしてまた別の機会に、もう一度この記事を読んでみてください。
今やめる必要はありません、我慢の禁煙は簡単ではありません。必ず失敗します。
筆者は我慢の禁煙を何回も失敗しました。
意味がないんです、タバコを我慢すること自体には。
それでは、
最後の一本を吸いましょうか。
必ず一人で吸ってください。
誰かと吸うと、喫煙者はジャンキー仲間を増やしたがりますから必ず後ろ髪をひかれます。
ひと吸いごとによく味わって集中してみてください。
血液の酸素濃度が減り、脈拍が早くなっているのがわかりますか?
吸うたびに、脳にニコチンを供給していることがイメージできますか?
このニコチンが、あなたをジャンキーに仕立て上げたのです。
さて、その一本を消した瞬間からあなたは非喫煙者です。
おめでとうございます、もうタバコによる余計な喪失感を感じることもストレスを感じることもありません。
遊びに行っていて喫煙所を探す手間も、喫煙席がある飲食店を探す手間もなくなりました。
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タバコをやめた後、喫煙者をうらやましく思ってしまう人がいます。
それは、まだ吸いたいという気持ちが残っているからです。
でも、喫煙者はタバコを吸いたくて吸っているわけではありません。
ジャンキーで、タバコを吸わないと生きていけないから、仕方なく吸っているのです。
逆に喫煙者は、卒煙したあなたを絶対にうらやましく思います。
自分がどうしてもやめられないタバコを颯爽とやめて見せたあなたのことを尊敬さえするでしょう。
羨望のまなざしを向けられたら、ぜひあなたが卒煙の仕方を教えてあげてください。
卒煙、おめでとうございます。
ジャンキーから健常者に戻れました。
卒煙してよかったこと
敢えてここには何も書きません。
卒煙することで得られるメリットは、ここまで読んでくれた方ならわかるはずです。
(わからなければ、時間をおいて一服してからもう一度読んでみてください。)
筆者は、あなたが素直に思いついたそのメリットを謳歌することができてます。
喫煙者の方からしたら、さぞ羨ましいでしょうね!
まとめ
喫煙をしていたころ、筆者は付き合っている彼女に次のように言われました。
タバコはあんたにとって禁止薬物と同じ。
あんたは禁止ドラッグは絶対やらないでしょ?
タバコも一緒なのに、どうしてわからない?
法律で禁止されていないだけで、ただの麻薬。
実は彼女は、筆者よりも先に卒煙に成功していました。
そして、今では筆者も卒煙成功者です。それも簡単に卒煙できました。
感覚としては、「やめてからもうこんなに経ったのか。」と思う感じです。
我慢の禁煙じゃ絶対に思えないことですね。
この言葉をくれた彼女に最大限の感謝をここに記すとともに、次は筆者があなたにこの言葉を送ります。
タバコはあなたにとって禁止薬物と同じです。
あなたは禁止ドラッグは絶対やらないはずです。
卒煙できたあなたは最高に素敵です。
ようこそ、卒煙した側の世界へ。
こちら側は、喫煙していた時代では考えられないほど快適ですよ。本当に。
>>タバコをやめると口臭がなくなります。男性の口臭に関する記事はこちら
コメント
これは為になる。
禁煙じゃなくて、卒煙ですか…
自分もタバコを止めたくなってきました。
まだ、時間はかかりそうですが…
コメントありがとうございます。
やめた私からのアドバイスとしては、
・本文にもありますが、吸わない理由ではなく吸う理由を考える
・吸いたくなったら卒煙を考えさせられた時のことを思い出したり、その時に目にしたコンテンツ(move4933さんの場合は本記事)をもう一度閲覧する
・タバコを吸わないことを誇らしく思う(ちょうど教育機関を卒業したのと同じように)
です。
ぜひ頑張ってみてください。